訃報 松谷みよ子

優れた人々が次々に逝く。

僕が彼女に最後に会ったのは、と言っても彼女と会って、口をきいたのはその一回しかないのだけれど。僕は、同席した「立原えりか」の年齢にそぐわない妖精のような歩き方と話し方に、すっかり心を奪われてしまっていたので、「松谷みよ子」の印象は、もうほとんど残っていない。ただ、大きな人だ。小さい人なのに重しの役割を果たしているのだと思ったことだけは覚えている。彼女らに会ったのは、友人が講談社児童文学新人賞を受賞した、その授賞式とその後の会だ。もう20年以上前のことだ。彼女らが、その賞の第一回、第二回の受賞者だった関係で呼ばれていたのだと思う。立原えりかは、決して魔法使いのおばあさんのようにではなく、天女の羽衣のような出で立ちで、天女の羽衣を纏ったように、フワリフワリと歩いていた、むしろ飛んでいた。ように思う。

その彼Tは、今も児童文学では食べられない。まともな才能のまともな文学者は食べられないのだ。本は売れないのだ。まして、絵本や児童書は売れないのだ。まともな物書きが食べられない社会。もしかしたらこれが健全なのかも知れないけれども。

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